浮世絵学13/中国古典文学(漢籍、漢文) 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学13/中国古典文学(漢籍、漢文) 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2016-5-01現在

酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

◯中国古典文学の諸書は、福永光司先生(膨大な道教の経典である「道藏」を読破、荘子の研究)が指摘している通り、諺、格言、名言、故事成語、成句などをアチコチから取り入れ、重層的に、まるで考古学の地層のように幾重にも積み重ねられている。原文に忠実な現代語訳と敷衍(ふえん)的説明で理解し易くしてあるが、よく読んでみると、原文の数倍の量の注釈、説明、解説があり、しかも異論、紛糾、定め難い。これは古代思想史研究を含んでいるからである。

◯むろん、一人で書いたものではなく、原本と違った解釈、多くの人の個人的意見、見解が加えられている。ただ、伝承にせよ著者また編者がいる以上、生没年(中国では生卒という)、活躍年で、年代(日本では西暦で「紀元」と称するが、中国では「公元」と称する)を押さえられると思い、下記のように整理した。

◯孔子が易経を何度も読み、韋編三絶(いへんさんぜつ)になった。竹簡のナメシ革の紐が何度も切れたという。韋(なめし)革が切れたのではない。孔子は、これらの竹簡を何処で、何の様に入手したのであろうか。竹簡の書物では、それほど数多くは製作できない。当時は篆書以前であるから、これらの文字も多様であり、音の似通った仮字を使うことが多かった。本来、文字は神のためのものであり、金文であった。誰でも簡単に金文を入手することなど出来なかった。木簡、竹簡の書物となると、これは、現在の想像を遥かに越えている。中国古典文学が存続したのは、紙が発明され、転写されたからであろう。転写すると、必ず誤認、誤記となり、脱漏も多くなる。

◯竹書紀年(BC325-BC251)

当時の竹簡が、墳墓から発見された。これは魏の襄王(BC325-BC251)までの同時代の記録である。

夏,殷,周,晋から戦国魏の襄王(BC325-BC251)、または安釐王(あんきおう、BC290s? – BC243)までの記録。

*西晋の咸寧5 (279) 年に河南省汲県の春秋(戦国)時代の魏国の墓中で発見された。

◯また、孫子は竹簡孫子(1972、山東省臨沂県銀雀山のBC206-8AD前漢の墓から出土)が原型と留めているという。

恐らく、他の墳墓にも竹簡があるに違いない。しかし、水分など含み、保存が悪ければ、遺らない。同時代の第一級史料が出土すれば、いろいろな事実が解明する。

◯中国古典文学大系(60冊)

国訳漢文大成(縮刷)を所蔵しているが、今回、中国古典文学大系を購入した。書棚が一段、全部、埋まってしまった。竪積みでは収納できないので、奥の方は横積みにした。

◯BC770s 書経(尚書)赤塚忠きよし先生の注は本文の五倍ほどある。同音の「仮字」「衍字(えんじ)」ばかりで、意味が全く違うこともある。赤塚忠先生は、諸書の記述について、「誤り」、「適当でない」との明確なコメントがある。しかし、曰若*(エツジャク)など、万葉集の枕詞のように、全く意味不明である。「ここに」、「さて」の意とある。*曰(エツ、のたまわく)は日(ニチ、ジツ、ひ)と別。

◯BC468春秋左史 *評論の意味に用いられた。

・隠公(BC722-BC712、在位)から始まり、哀公(BC4494-BC468、在位)で終る。

・暦法の尊重。各公の薨去記録を見ると、場所が記されていない。これは皆、暗殺された。

・記録は、責任追及が厳しく、罪悪の真の犯人を見逃さないという記者の厳粛主義の立場が貫かれている。

・左氏伝は、漢代の筆が加わっている。しかし、中国人の様々な生活を描いた史話、物語として見れば、極めて優秀な構成力、描写力を示す文芸作品である。正確な史実を伝えるか否かは、その際、大した問題ではない。

1600sBC-1100sBC(殷代)甲骨文、金文

*約3,000字  *自称は夏、成湯王が建国、第30代紂王の時、周により滅ぼされた

1100sBC-770sBC(西周)金文

770sBC-403BC(春秋)金文、石鼓文*   大篆(籀書、ちゅうしょ)

770sBC-256BC(東周)金文

403BC-222BC(戦国)

221BC-207BC(秦)小篆

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770sBC 易経

770sBC 書経(書、尚書)

770sBC 詩経

530sBC 老子 *子は先生の意、同時に書名でもある。従って個人の思想、哲学の書物である。

490sBC 孫子

479BC 論語(孔子)*これらの伝で、「孔子」という書名があったも良さそうだが…

450sBC 春秋左史伝 *詩の朗詠が所々に挿入されている。

403BC-221BC 礼記 *書名から考えて、礼記は更に古い由来があるように思うが…

390cBC 墨子

381BC 呉子

369BC-286BC 荘子(そうじ)(荘周) *曾子(そうし)と区別するため「そうじ」と称する

330sBC 列子 *戦国末期から東晋に至る道家の思想を示す雑多な著作を集成した(福永)

313BC-238BC 荀子

289BC 孟子

280sBC?-233cBC 韓非子

251BC 襄王(魏)

221BC-207BC 秦

213BC 焚書坑儒(李斯の建議により)

122BC 淮南子(王劉安)

86BC 史記(司馬遷)*遷が初めて、本格的に科学的に中国古典文学を纏めた。しかし列子などは記録されていない。213BC焚書坑儒のため、失われた書物が多いが、殆どの古典が、ある程度、これは記憶により書き記したことを含めて、復原されている。

80cAD班固(31-92AD)/漢書・芸文志    *妹の班昭らが補った。史記以後、「史書」の模範とされた。

121AD許慎(70s?-121cAD)/説文解字 *9,353字

何か御存知の方があれば、御教示ねがいたい。

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator
浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]
[浮世絵学]文化藝術懇話会    浮世絵鑑定家
100-0006東京都千代田区有楽町1-2-14
電話03-3591-4678 Fax03-3591-4678

 

 



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