浮世絵学01/落款(歌麿)/偽筆*07_うたまろ/歌麿_出光美術館(更衣美人図) 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学01/落款(歌麿)/偽筆*07_うたまろ/歌麿_出光美術館(更衣美人図) 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2016-11-10現在

酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

しばしば紹介(出光美術館所蔵)されていますが、どなたも偽筆と言及していないようです。
結論を申しますと、これは偽筆です。
歌麿は偽筆ばかりですね。

何年何月ころ、誰が何の様な経緯で重要美術品としたのでしょうか。
履歴証明(真筆証明)、いわゆるプロブナンスが欠落しています。

この鑑定人は、プロの鑑定人でしょうか。

全く浮世絵学を知らない素人であると思います。
プロの私の眼から、真偽の二者択一を選択すれば、どうしても偽筆となります。

浮世絵学に沿って吟味してみましょう。

1 落款(+ 印章):これは版画の書き方で、いきなり「歌麿」は不可。
昇り龍、降り龍ですが、どうも模印で、偽印のようです。拡大すれば、すぐ分かります。
2 制作年:全く書かれていません。これも不審。
3 外題+内題:これだけの作品で外題が無いのも不審です。
更衣という外題も、浮世絵の外題として不自然です。

1978浮世絵聚花 3/ボストン美術館3(歌麿目録)

*この歌麿/総目録にも見出せません。

肌襦袢も派手な赤で大柄の市松模様。これは肌襦袢になりません。
冬物を脱いで、夏物に更える意ですが、帯は何処に置いたのでしょうか。
夏物は何処に持っていたのでしょうか。
いきなり足下に冬の着物(帯との説明もあるが)を脱ぎ捨てることも女性にとって有り得ません。
これでは、どうしても着物を踏みつけてしまいます。

帯は何処へ置いたのでしょうか。帯を解いて、冬物を夏物に着替える。
すると、必ず帯を何処かに置いているはずです。
また、着替えているのに、どうして開いた扇を持っているのでしょうか。
団扇なら、まだ分かりますが…本来、扇は男ものなのです。

足下の紙束は何でしょうか。
箱書き、表装、絹地など、すべて古くなければいけません。

歌麿の時代、つまり220年以前のはずですが、新しいようです。
4 出典:いわゆる履歴証明(真筆証明)がなければなりません。戦前、明治、大正、昭和期に発表されて、展示されて、掲載されていることが重要です。
いきなりポット出ることは考えられません。履歴(由来)がないこと自体、全く不審です。

諸外国ではProvenance、履歴(真筆)証明と云って、その真筆である由来を詳細に公開しています。

歌麿の顔に似ているようで、版画に見られるような歌麿独特の気品がありません。
身体の骨格、構造が描けていません。
夏物の帯は、何処にあるのでしょうか。
帯を締めなければ、着物になりません。
歌麿が描いた作品ではなく、別人が描いた偽筆です。

IMG_20160726_0001 - バージョン 2

皆さんも、一緒に感覚を鋭くして、よく御覧下さい。
女性で着物を召す方ならば、すぐ可笑しいと判断できると思います。
妙な描き方、いろいろと気付かれるはずです。
では
雁高

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator
浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]
[浮世絵学]文化藝術懇話会    浮世絵鑑定家
100-0006東京都千代田区有楽町1-2-14
電話03-3591-4678 Fax03-3591-4678



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