浮世絵学04/外題(笑本*)(ゑほん)編_笑本総目録 Yehon 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学04/外題(笑本*)(ゑほん)編_笑本総目録 Yehon 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2015-11-24現在

酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂)   [HP: ukiyo-e.co.jp]

酒井雁高(酒井好古堂主人)SAKAI_gankow,  curator,  

浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]

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2014-11-13[ukiyo-e.co.jp]  *You might also see [japan-ukiyoe-musem.com]

◯2015笑本(ゑほん)/総目録 Y-FINAL  Yehon 酒井雁高 2015-03-04現在

Yehon(笑本)とEhon 絵本は、音(おと)は似ているが、全く別。「わ行」と「あ行」。

◯笑本(ゑほん)、艶本(ゑほん)、まくら絵… Yehon   DB: Y-FINAL

やはり「春画」(しゅんが)ではピンと来ない。江戸当時の呼び名に従って、「笑本」(ゑほん)Y-FINALとする。

私は、かなり以前から(博物館の業務として)、享保期書籍目録、種彦、好成、若樹、渋井、林ら諸書誌の記録を入力し、日本浮世絵博物館の原本を中心にDBを作成してきた。その当初から、Y-FINAL、つまりYehon(ゑほん)であった。江戸時代に全く使われていない春画という術語は、中国の名称であり、明治以降、「猥褻」(わいせつ)などという言葉と共に、官憲により使われた言葉である。江戸初期、既に好色本の部類に多くの笑本(咲本、笑の本字は「咲」)が販売されていた。

1590s-1610s慶長頃、丹祿本で中国の春宮図と日本の笑本を合冊した「修身演技・人間楽事」が刊行されている。種彦が記述をしている作品である。恐らく、種彦が見た同一の版本であると思うが、日本浮世絵博物館にある。父・酒井藤吉からも、特別の書籍であると云われたことを覚えている。桐箱に入っている。中国の版本を翻刻した画は、典型的な木偶のような小さな人物像であり、局部に丹をポツポツと塗ってある。合冊されている日本の画像は、人物描写も大きく、表情豊かで、しかも局部に誇張があり、これ以降の笑本の基本型と同様である。

江戸期、「笑本」(ゑほん)は「楽事」(らくじ)であった。しかし、

1870s明治期になって、漢学者を動員して、難解な熟語「春画」(しゅんが)、「猥褻」(わいせつ)という名前で、売買禁止にしたのである。江戸期に数多く出版され、「楽」事だったものが、なぜ明治期に「猥褻」として禁止されたのであろうか。諸賢は、既にお分かりであると思う。その一番の違いは、江戸期の天皇(殆ど権力を持たない)と明治期以降の天皇制度の違いにある。

生身の人間が神になることは西欧では全く考えられない。なぜなら人間はmortal、神はimmortalである。明治天皇も死んでいるから、人間であり、神ではないことが分かる。もっともフルベッキの写真が公表されて、孝明天皇、明治天皇(実際の)は厠(かわや)で謀殺されているという。当時の内務大臣・田中光顕は「今の明治天皇(掏り替った、大室寅之助)は、孝明天皇の子供ではない」と述べている。

本目録では、同外題の作品に連番を付した。

2015笑本/総目録_五十音 *西暦ほかを入力中

2015笑本/総目録_五十音 10967項目 西暦を入力中

2015笑本(ゑほん)/総目録(五十音) 10967項目 *笑本でない書籍も含む

2015笑本/総目録(西暦) *西暦、未入力も多く、不備。近日中に入力を完了し、ある程度、編年順としたい

2015笑本/総目録 8066項目 *同外題を含む *連番は2374点

2015笑本/総目録(無外題) *無外題のため、西暦、落款(五十音)、出典の順に配置(便宜的)

1984野間/初期浮世草子ほか *すべて笑本ではないが、男色(なんしょく)など関連ある書籍もある。

何かお気づきの点があれば、御教示ねがいたい。

1982以来、日本浮世絵博物館(長野県松本市郊外)のガラスケース内で、笑本の品の良いものを展示してきた。本格的に笑本展を開催したかったが、父(酒井藤吉)、叔父(酒井貞助、泉三郎)など苦い経験があり、断念した。明治以来、官憲は猥褻であるとして、作品を没収する権限を持っていた。苦労して蒐集した作品を有無を云わさず、持ち去られたのである。

2015現在でも、警察は猥褻と決めつけ、博物館、美術館、図書館の展示作品を証拠品として奪い去ることが出来るのである。それらの作品は、明治以前、江戸時代に「楽」事として愛玩されていたのである。

1985日本浮世絵博物館/肉筆浮世絵撰集、学研。赤井達郎、辻惟雄、小林忠、河野元昭、酒井雁高、早川聞多、浅野秀剛氏らを執筆陣として、初めて肉筆浮世絵の本格的な図録を刊行した。原寸大による、落款、印章など、浮世絵学に沿って、刊年、形態、外題、(版元)、内題などを記録した。これの対として、春画も刊行したいとの希望があった。

1990学研が学者(辻惟雄、小林忠、河野元昭、早川聞多、浅野秀剛氏ら)を総動員して、白倉敬彦氏が日本浮世絵博物館所蔵の笑本を記録した。むろん、所蔵を公表しないという前提で、何回かに分けて、延べ二、三週間以上、掛かったと思う。

しかし、浮世絵博物館=春画博物館、浮世絵=春画、春画=浮世絵と誤解を受けては困るので、出版を辞退した。有働義彦・編集長には、申し訳なかったが、仕方のないことであった。この前後、無修正の出版が出来るよう、有働編集長は大変な努力をなさって、検察庁と協議をした。1 高額の書籍であること(予約販売)、2 店頭の見えるところで販売しないことなどの諸条件を守れば、出版できることになった。こうして無修正で出版された豪華本が、1991-1992浮世絵秘蔵名品集、全4冊である。「歌まくら」、「浪ちどり」、「小町びき」、「甲の小松」。高額書籍、各册20万円は、検察庁の指示を守るためであった。図版合計301点。

1993スミエ・ジョーンズ氏が主宰した「江戸文化と性のシンポジウム」(参加者のみ、インディアナ大学会場に出入りできた)で、机上で随時、これらを公開していた。このシンポジウムで、私は江戸の吉原の特異性を述べた。遊女ら女性は、客からお金を受け取っても、振ることが出来たので、西欧でいうプロスティテュートのビジネスとは違うということを述べた。

いわば、吉原は、女性が自分に相応しい相手を選ぶことが出来た社交の場であったと。蜀山人、京伝をはじめとして、細君は殆ど吉原出身である。これらの女性を奴隷と見るのは違っている。奴隷は一生、遊女は年季がある。通常、10年である。むろん、江戸後期、次第に吉原細見も単に名寄せになり、吉原当初の匂いのある生活感、華やかな男女の交際の場ではなくなっていった。

浮世絵秘蔵名品集の内、「浪ちどり」という書名は江戸期に存在しない。この書名は使うべきではなかった。また、妙な偽筆と思われる肉筆作品も含まれていたことは遺憾なことであった。

私が個人的に作成した、笑本総目録は非公開としたが、今回、時期も熟したので、研究機関、研究者、収集家、一般、学生などのため、公開する。以前、立命館大学の赤間亮教授、および院生らの懇望にされ、私が永年、編集した未公開、未発表の笑本総目録(日本浮世絵博物館)の部厚いバインダーを教授にお渡した。彼らは小躍りして、手分けして、コピーを撮って、その後、立命館大学の笑本蒐集研究の役立てて貰ったようであり、何よりであった。

2013ロンドンのBMで大々的な春画展が開催された。この折、自主規制であろうか、全国の公的な機関の出品を控えてしまった。このため、日本の公的機関の出品は一つも無かった。すべてディーラーなど業者の出品であった。BMは、東京国立博物館ほかで、春画展を開催したい意向のようであったが、やはり断念したという。その折、御会いした木下直之教授なども、日本でこそ、このような展覧会を開催すべきなのだがと云われていた。

2015最近、石上阿希(いしがみ あき)博士の学位論文「日本の春画・艶本研究」が刊行された。この分野で博士号を取得したことは始めてのことである。これまでで最も纏まった研究書である。書名索引、人名索引が完備されている。笑本総目録は立命館のインターネットで公開しているという。いずれ、追加入力したい。

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator 浮世絵鑑定家 profesional ukiyo-e adviser

浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]

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