浮世絵学04/外題(人遠茶懸物)1786以美散人(いみさんじん)/人遠茶懸物 *影印で全頁掲載  酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂)  http://www.ukiyo-e.co.jp/38165
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酒井 雁高(浮世絵・酒井好古堂主人)   http://www,ukiyo-e.co.jp/1673

酒井 邦男(学芸員、副代表)

SAKAI_gankow,  curator,  professional adviser of ukiyo-e

Sakai Kohkodou Gallery, the oldest gallery of ukiyo-e in Japan

(雁註)ひとをちゃがけもの

(水野稔・解説)作画共、芝甘交。主要な狂歌師の狂歌を耳鳥斎(にちょうさい)のような戯画で描き、天明期の狂歌の一端を示している。伝記不明の人物もいるが、概ね、当時の天明狂歌を代表する人物である。洛燕亭は、分からない。序文の漢文を見ても、これは洒落(しゃれ)本を意識している。挿絵があるので、滑稽本ということになる。

甘交の師は、芝全交(1750ー1793)(44)である。狂言師の養子になり、機知、諧謔を体得した。全交は黄表紙の第一人者で、京傳(1761-1816)(56)の先輩である。惜しいことに、40代半ばで亡くなった。

自序

九方皐カ之相スルヤ馬。畧メ玄黄ヲ而取ル駿

逸ヲ非メ通ニ而何ソ。私…

一拂齋識 (だるま)

(雁註)一拂齋は甘交。

天明丙午春(1786)(天明6)

 

ながい物ハ 通人の羽織 右鹿都部眞顔 酔中題

(雁註)眞顔(1753-1829)(76)

 

旅人欲問 晝三ノ直 新造催眠 引四前 春蟻戯題(酒船)

(雁註)春蟻は誰だろう。宿屋飯盛か(水野稔・解説に飯盛の名ある)

 

 

ボンのボダイの 丁[シュモク]丁[マチ]から 卍象筆

(雁註)萬象(1756-1809)(54) *中良(ちゅうりょう)

い□ぬワる□や□しやう より。木…

山東京傳書[山東]

(雁註)京傳(1761-1816)(56)、曾我五郎だが、京傳にしては妙な具合

 

 

鯰とかけて 南無妙法蓮華経ととく 心は ハテ髭か有て のたくるワさ 唐來参和

(雁註)参和(1744ー1810)(67)

 

 

とはんともせぬ夕くれの玉くしけ ふたすしかくる けころ□ひめ 東作書

(雁註)東作(1726-1789)(64) 平秩(へずつ)〜 狂歌の重鎮

 

七□□もはや すきうて 門ならて しるしはかりの 松の二もと

すきやかし きん埒

(雁註)金埒(1751-1807)(57) 銭屋〜

 

立ならびてハ 花のかたハらの やつぱり花 四方赤良題

(雁註)赤良(1749-1823)(75) 四方〜

 

取子取子 薄言取子 彼其之子 実ニ適我志 取子一章 章一句 蔦唐丸賦

(雁註)唐丸(1750ー1797)(48)蔦屋重三郎

さても悪七兵衛かけ清ハ…  戀川はる町述

(雁註)はる町(1744-1789)(46)、はる町は戯作者名、不埒は狂歌名。酒上不埒(ふらち)

 

 

藝しや衆 だんな さんはし うちつれて 行□多くの客の仲町 酒上不埒

(雁註)不埒(1744-1789)(46) 春町と同人

 

湯上り 武士か兄弟 飛□ そろひ床場て いわぬ出た髪 右自画讃 一拂齋芝甘更

(雁註)甘交(1750s-1804)(40s) 生年、享年が不明 現金青本之通(天明7)

この士が鼻唄に 代りて華藍作

並のたちゐのやるせなく 阿らいそかしの かつきする身や

(雁註)華藍(からん)(1739-1820)(82) *華藍は、重政の俳名。

二六時中 十弐両に賣て 八幡鐘かなり やすおときさん おむかひとは

あんまり せわしねヱ てめヱ 番太郎の娘しやア ねヱは 物我戯にいふ[花押]

(雁註)物我は誰だ。1784(天明4)手拭合に狂歌あり。

此里と浮世てふてふとは いつれの丁なるそ かのもこのもに木□れて そ尾松か枝の

二挺たてなるか □か愛といへは いとしと言ふ □に阿ふむの鳥ならむかし

風来ては 花□来ては風匂ふ 洛 □亭

(雁註)洛 燕亭は誰だろう。

名主様と大家さまを見て 哥賣だといふ 其心ハ 名ぬし…

各 少交[花押]

(雁註)少交は誰

 

アレアレ むかうへ行のハ たしか團十良て御座りやす

鼻も高し紋所も 三升と見へやす 眼はち□ハ うしろからハ みへやせぬとかふいふ

人の此繪に見へぬか かくいふハたそ 桜川杜芳かいふ

(雁註)杜芳(1730s-1788) 櫻川三島町 表具師 岸田豊治郎 言葉綾知とあり 天明八年戊申五月歿

はつむとて そのはこの子に はこいたの つきまとひぬる おちの人かな

元木網

(雁註)木網(もくあみ)(1724-1811)(88) 狂歌の重鎮、妻は知恵ないし

 

めてたきもの さちはこの朝日に かゝやきたる 又くろかもとかいふものゝこしの きらめきたる 智恵内子

(雁註)内子(ないし)(1745ー1807)(63) 木網の妻

無遠人眼の工夫ハ漢画[カラエ]

よりもて今 本邦[ニツホン]にて

誰も皆承知也 其所[ソコ]を

又眼も鼻もぐつと畧して

意を見せる案し 聴於[コヱナキニ]

無[キゝ]聲 視於無形[カタチナキニミル]の類□

きついもの急度見えます

受取ました依て件の

後[シリヘ]に書

以美散人

乙巳冬

(雁註)以美散人は誰か。1785乙巳冬(天明5)。無遠人眼(えんじんめなし)は漢画(からえ)とあるが、大坂の耳鳥斎(にちょうさい)を模倣したか。

 

 

何か御気付きの点があれば御教示ください。
酒井 雁高(がんこう) 浮世絵・酒井好古堂主人 学芸員 curator
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