浮世絵学04/外題(聖書の常識)1980山本七平/聖書の常識、講談社 http://www.ukiyo-e.co.jp/73988
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第一章 誤解されている聖書 15

1 聖書は一冊の本ではない。

1)旧約聖書 39冊

前1250-  旧約聖書 39冊 世界中の人々が、サンキュウと云った。

新約聖書、これは信仰の書物で、研究対象にならない。3x9=27 27冊

2)聖書(旧約)は宗教書ではない

3)聖書(旧約)はキリスト教の聖典ではない。

 ユダヤ教=旧約+タルムード

 キリスト教=旧約+新約

 イスラム教=旧約+コーラン

2 聖書は歴史的順序で書かれていない

前589-597 五書の創世記 P資料、バビロン捕囚か、それ以後に成立。

前588 ゼデキヤ王、バビロニアに反逆。エルサレムは包囲される

前586 エルサレム陥落。バビロンのネブカドネザルにより、指導者は捕囚、移送される。

律法(りっぽう、トーラー)として書かれていて、歴史書ではない。第一章と第二章四節から別の話になっている。

人間が生きていくための規範として書かれている。現代の罪刑法定主義の法律ではない。

バビロニアの宇宙観が反映されてている。七日目、安息日

神・人、同形同性説。

 

4 聖書はたんなる伝承ではない

口伝えの伝承。

前1750s ハンムラビ法典 楔形(くさびがた)の文字法典。

前1950s    アブラハム

パウロ 口述を筆記させ、署名をする。羊皮紙、パピルスは専門の書記が書く。自分では書かない。

第二章 聖書誕生の秘密 31

1 モーゼの五書が基本

ユダヤ教

律法(トーラー) 申命記(しんめいき)、現代の法律にもっとも近い

予言書(ナービーム)

諸書(ケスビーム)

シェマ(聴け) メズーザ(筒)がイスラエル各省の入口、各部屋に付けられている。

サマリア教団 五書だけを聖書としている。サマリアの中心、ナブルス。

3 正典化への複雑な歩み

前444 五書 バビロン捕囚期か、それ以後。神と人との契約(エズラ記、ネヘミヤ記)

後64 正典はヘブライ語のみ。

ヤブネ(ヤムニヤ)の宗教会議

ユダヤ教徒がヘブライ語聖書を正典化し、

140 ガリラヤのウシャの会議 39書と定められた

164 

旧約 マカバイ記 新約 

4 唯一の神が、なぜ複数なのか

前444 五書が旧約の正典として確立

前850s-750s J資料 ヤハウエ(エホバ)エルサレムの南、ヘブロンで成立 *エホバ、誤読

E資料 エロヒム  神をエル(単数) エロヒム(複数) 単数、複数を超えた唯一、絶対

 

5 現代の聖書への道すじ

前622 D資料(申命記のギリシヤ語訳、デウテロニミオン) 

 ヨシヤ王 神殿で律法の書を発見(フィクション、祭司が編纂)

P資料(祭司資料)バビロン捕囚時代 祭司たちは、JEDPの四資料を編輯

羊皮紙は二枚に剥いで造るが、聖書は一枚皮。死海文書も一枚皮。

後64 ギリシヤ語を全部、外す。

後100 ヤブネの会議 伝道、雅歌、エステル記は、正典に入っていなかった。

後140 ガリラヤのウシャの会議、伝道、雅歌、エステル記も正典となり、聖書正典が確立

6 キリスト教徒にとってのギリシヤ語訳

正典 外典、偽典 典外書(外典+偽典)

350s  キリスト教の正典が成立(西方)

650s キリスト教の正典が成立(東方) ビザンチン時代 みなギリシャ語

 (ヴァチカン写本、シナイ写本、アレキサンドリア写本)

7 ルターは聖書の數を減らした

ギリシャ語訳

ラテン語訳(ウルガタ訳)ヒエロニュモス訳)

1546 カトリック公認ラテン語聖書

ルター 旧約はヘブライ語原文によるものでなければならない(ロイヒリン説)

カトリックの権威を否定し、ウルガタ、七十人訳も棄てた。カトリック聖書の七書を除外。共同訳では七書も追加。

第三章 歴史書としての聖書 53

1 二十世紀でもっとも進んでいる学問 聖書学

聖書考古学、聖書史学、聖書文献学、聖書語学、清shお釈義

1905 ダイスマン

2 考古学が裏付ける聖書の記述

 神話、伝説 事実ではなく原因譚説話

 1929 サー・レナード・ウーリー 3500年前の大洪水を粘土層で確認

 イガエル・ヤディン ハゾルの発掘(出エジプトからカナン定着)  

3 天文学と聖書の記述との関係 

1603 ヨハンネス・ケプラー 土星と木星の異常接近 

 前7 三度にわたり、起きていた。バビロニアの学者が驚いて、パレスチナへ出向き、ヘロデ王を尋ねた。

 イエスの生誕、前6年とするのが、ほぼ定説 

4 旧約には来世といった考えはなかった

 輪廻転生 インド、イラン、ギリシャ、ドルイド(フランス) はじめもなく、おわりもなく、ぐるぐる廻っている

 前1,000年のイスラエル 中東の後進国 先進国の中心はバビロン、エジプト それぞれ来世に思想

 イスラエルは、人間の一生は出生から死亡まで。はじめがあり、おわりがある。

5 聖書はリアリズムの世界

 義人の苦難 神義論 正しいものが必ずしも報われない 善悪二元論も無い

 真宗の妙好人伝、前世、現世、来世で考える

 聖書は、安易な悟りのない峻厳きわまる世界。

6 旧約聖書は義を追求する

 どこまでも徹底的に執念深く追求、旧約聖書

 無名戦士の墓では済ませない。最後の一人まで數を明らかにし、名前を明らかにしようとして、明確に記録する。

 義を確立するため、事実をすべて明確にする。責任は個人で親の因果は無い銘々、自分の罪によって死ぬ。個人主義

 

第四章 イスラエル史としての聖書 72

1 旧約聖書は最古の歴史書である

 サムエル記、列王記 *ヘブライ語原典では、「王たち」1 2 3 4  パピルスの巻物の長さの限界、物理的理由

 前1250-前1220 カナンの地への定着 モーセの出エジプト エジプト第十九王朝ラメセウ二世

 前1269 エジプトとヒッタイト カデシ(オロンテス河畔)の戦い、勝敗なく、平和条約

 出エジプト シナイの根拠地 カデシ・バルネアワジ・フェオラン(レビデム)農耕地の、この何方か

 岩山、水源がないところは不可。カデシ・バルネアが最終集結地。

 

3 ユダヤ人・アラブ人・ナバテア人・パレスチナ人

 ユダヤ人(ユダの地に住む人々)

 アラビア 砂漠、草原、荒れ野の意で、現代のアラブ、アラビアと同じではない。唐・天竺のように漠然としている。

 ナバテヤ王国(この時代のアラブ)現在のヨルダンからネゲブのあたり。

 サロメの踊り(新約のマタイ福音書、マルコ福音書)洗礼者ヨハネの首を欲した。

 時代によって、地域が違っている。パレスチナ、ペリシテ人(ギリシヤ系の一民族)の地の意。

4 イスラエル史のはじまりはいつか

 ヨシュアに率いられカナンを征服

1)カフマン説 聖書が歴史的事実であるとする。現在では発掘などで、無理。

2)アルト・ノート説 遊牧から農耕状態へ徐々に移行した。

前1364-後47 アマルナ時代以降200年 多くの学者は前1250s に限定

3)オールブライト説 考古学で検証、破壊されている

前1250s デビル、ペテルの破壊。

前1220 ラキシの破壊 

*誰が破壊したかは分からない

4)メンデンホール説

 イスラエルの人々は、遊牧民でなく、村落に結び付いた家畜飼育者。

 遊牧民が大きな勢力をもつのはラクダが家畜化されて以後、すなわち鉄器時代に入ってから。

 社会の崩壊により、流人(るにん)が多くなり、ハビル、ヘブルへと逃げていった。

 ヨルダン川東部で、王を追放し、町々を奪取して、破壊。次第に西部へと向かった。

 エリコの攻略でも、自然崩壊。ヨシュアは強固な核となりえた。

 

5 イスラエル国家形成のみちすじ

 十二部族、土地は共有であったらしい。長老は揉め事の裁定者。

 聖所のはじめは、シケム。後、シロに置かれた。遊牧民は定着すると、戦闘能力を失う。ラクダの新しい遊牧民が侵入してくる。この繰り返し。後1500に一応、終わった。

ペルシャとビザンチンが戦い、周辺のアラブ部族を契約小国家として取り込んだ。そのうちに、アラブが強力になり、版図を奪取された。

6 古代イスラエルの歴史は終わった

 元かいたカナン人は文化的水準がはるかに高かった。

 前1250 カナン定着

 後70 イスラエルの終り ローマエルサレムを占領し、神殿を焼き落とした。以後をディアスポラ(離散)時代と呼ぶ。

 1880 現代イスラエル シオニストは国家の再建を目指している。

7 消えたイスラエル人のナゾ

 士師(ショフティム)一時的指導者

 海の民ペリシテ人が南部の海岸に定着した。

 前1020 ナギド(司つかさ、リーダーで王ではない) *サウル(後代の呼び名)王制 

 前1000-961

  前1000-993 ユダの王

  前993-前961 全イスラエル王国の王

  前961-922 ソロモン 神殿を建設 銅山の開発、通商の振興 ソロモンは商業王

  前922 王国分裂

 前922-前722 イスラエル王国 サマリア陥落(アッシリアにより滅ぼされる)

  *サマリアは五書のみ聖書とする。書体が独特。

 前922-前587 ユダ王国 エルサレム陥落

 

 北の十部族は他に吸収された。日本に来たというのは珍説。

 

8 旧約聖書はいつ完成したか 101

 前586-前538 バビロン捕囚 バビロニアが新たに興隆 指導者階級のみが移行された。

 前539-前538 ペルシャ王・キュロスによる捕囚民解放

 前520 ハガイ イスラエル人の宗教が神殿中心の祭儀宗教から、書物(正典)による思想の宗教へと

 前516 エルサレム神殿の再建 *預言者ハガイ、ゼカリヤ

 前444 エズラ、エネミヤ モーセ五書は完成していた

 前332 アレクサンドロス大王の支配

 前320 エジプト(プトレマイオス朝)、シリア(セレウコス朝) 

 前167 ダニエル書ユダヤ教徒は黙示文学キリスト教徒は預言) 旧約最後の書物 旧約の終りで、新約の始まり

(雁註)ダニエル書の前に、黙示文学はイザヤ、エレミヤ、ラメテーション(哀歌)、エゼキエル。

ダニエル書の後に、ホセア、ヨエル、アモス、オバディア、ヨナ、ミカ、ナウム、ハバクック、ゼフアニア、ハガイ、ゼカリア、マラキ。

 前167-前142 マカバイ一族の叛乱

 

第五章 日本人にはむずかしい契約の思想 105

1 聖書の契約とは 

 「約」、契約の意 ベリート(ヘブライ語)、ディアテーケー(ギリシャ語)、テスタメント(ラテン語)

 旧約のことを、グラッフェ(書かれてもの)、本。聖書の基は契約書。

 上下契約 絶対者なる神との契約を守ることが信仰、すなわち神への忠誠。従って、信仰、信心といった言葉と非常に違う。

 契約宗教、モーセの十誡、シナイ契約。上下契約(ヒッタイト大皇帝と従属の小国王)の形式がシナイ契約と類似している。

 証拠、二枚の石に刻まれている。上が契約を示して、下が署名する。

2 ヨーロッパ人にとっての宣誓

 日本では遺言が無視されて、話し合い。

 モーセの十誡、二人称単数命令形。神と各人との一対一の契約

 将来の契約、起こるべきあらゆる問題についてあらかじめ決めておくのが、契約

3 世襲という考え方

 士師(シシ)(さばきつかさ)、裁定者の意。宗教的、政治的、軍事的指導者。

 士師に世襲はない。

 前1020 士師の一人、サウルがユダの王位に付く。

 血統的な王制、預言者ナタンによる契約

4 王といえども契約を守る

 預言者が王を糾弾しうる、その根拠は、契約是一帯で王絶対でhないという考え方

 ダビデが王国を統一して、70年後、王国は分裂。

 ソロモンは契約を破り、その死と共に、王国は南北に分裂。

 主権者への糾弾が続く歴史書、珍しい。

第六章 現代も生きる紫衣書の律法 117 

1 ユダヤ人の生き方を規定する

 

 タルムード 膨大な本

 前200-後220 ミシュナ(繰り返す意、口伝の律法)全6 タルムードの基礎となっている。施行規則は変えて良い。

 安息日(シャバット)

 *初婚は水曜日、再婚は木曜日

 *ハナッシー(学頭、塾頭)、

 律法

 ミシュナ(口伝の律法)

 バライタ(削除)*註解、付加

 ゲマラ(完成した)

 メギラ(巻物)敷延、補遺

 トセフ(欄外)

 後450s−後650s タルムードが完成した

2 律法は現代も生きている

 規範の典拠 典拠がはっきりしている。日本は無典拠の慣習絶対になっている。

3 宗教は法律だ 中東の考え方

 現代のイスラエルの人口の六割は、アラブ系ユダヤ教徒。ユダヤ教の宗教法を守っているので、ユダヤ人。

 宗教とは国籍で、また法律で、生活規範である。

 旧約の律法そのものが、法律である宗教。

第七章 聖書における予言の重み 131 

1 預言者(ナービー)とは、どんな人か

神を信ずる信仰とは神への忠誠、神との契約の絶対遵守。

預言者は契約なしで登場してくる。預言者は神との契約で登場するのではない。

神託を告げる者、先見者(ローエー)。預言者の代名詞、エリヤ。

サマリアの王アハブは、エズレルびとナボテの所有する葡萄畑を欲した。アハブ王の妻、イゼベルは謀略でナボテを殺した。

アハブ王は所有主のない葡萄畑を取り上げようとエズレルに下る。そこへエリヤが出現する。ヤハウエはこういわれる。お前はナボテを殺したのか、取ったのかと。アハブは法律違反を追求され、糾弾される。

一種の律法的憲政。

民が王を立てようといわない限り、王はない。

2 名君も宗教的評価は違っている。

預言者は王を糾弾する姿勢をとる。

オムリ王は、これまでの北イスラエルのオフラ、シケムからサマリヤの丘に首都を建設した。サマリアの丘は、何度もアッシリアの包囲に耐えた。しかし、オムリ王はフェニキアと結び、息子アヤハウエをツロの王女イゼベルと結婚させ、外国の宗教、偶像礼拝、異教の風習が入った。預言者エリヤは、糾弾した。

3 繁栄と社会的正義のズレ

ヤラベヤム二世の治世、空前の繁栄をした。預言者、アモス、ホセアは徹底的に、批判、糾弾した。

預言者たちは、社会的正義に目を向ける。アッシリアの従属国になり、全版図、全領地を市場にして、同、香料、中間貿易をして、繁栄した。貧富の格差が大きくなり、同胞(どうほう)が同胞に圧迫されるような状態は義なる状態ではない。

王と預言者、北のエリヤで始まり、南のエレミヤで終わった。

4 旧約のなかのユニークな思想家ホセア

ホセアの思想が一番、イエスに近い。その原型。

神と人間が争い、人間が勝つ。しかし、逆に人間が神に憐れみを求める。

神は全能であるが、人間のための召使いではない。アラジンのランプでもない。(聖書学者、塚本虎二)

5 エレミヤにはじまる個の意識

旧約予言の最高峰は、エレミヤと第二イザヤ。

エレミヤ、個という意識が明確に出ている。神は神、自分は自分という意識。

父の行為は父の行為で、子の行為は子の行為。両者に一切、関係はない。

人類における個の意識は、エレミヤから始まった。

人はおのおの個人として神の前にいる。

6 たくましいユダヤ人の考え方

(エレミヤ)国家、その他の権威、頼りにしていたものが、失われた時、残るのは「神」と「自己」という意識だけ。

(エレミヤ)バビロン捕囚民を送る言葉、その地へ行ったから、家を建て、畑も作り、そこに住みつけ、何処にいても動じるな。すべては消えさっても、個は残る。

前650s-前550s、エレミヤからエゼキエル。王と預言者の最後の時代。新約の思想に影響を与えた。

7 捕囚時代の預言者

エゼキエル、第二イザヤ(全編、美しい詩)

バビロン捕囚の終わるころ 第二イザヤ、第三イザヤ。糾弾、告発でなく、慰め、希望を唄っている。予言は詩。

神の罰(ばつ)赦(ゆる)し

苦難のしもべ、第五十三章の長詩 なぞの詩

他人の病いを負い、他人の悲しみを担(にな)い、他人の科(とが)のために神に打たれ、苦しめられ、傷つけられ、他人の不義のために砕かれ、懲らしめを受け、暴虐な裁判で殺されて、人びとの罪を負うことによって、人びとに平安を与えた人のことを唄っていることは間違いない。(イエス・キリスト出現の予言)

(エチオピア人)誰のことをいっているのですか。自分(預言者)のことですか、それも、だれか他の人のことですか。

J  E  D  P   J+Eは古い資料。 編纂されたのは、D(申命記)の後と考えられている。

前640c 申命記 この時、古いJ+E資料も入れて、すべてを編纂して一巻とした

前609 ヨシュア王は戦死。エルサレムが陥落する。そしてバビロン捕囚。

前587 バビロン捕囚 イスラエルの歴史は終り、ユダヤ人の歴史が始まる

前538 捕囚解放、第一回

前516 エルサレムに第二神殿が建てられた、実際は修理 

 第二神殿期:ユダヤ人はペルシャの小自治国のようなかたちになる

前444 J+E+D  +P資料 正典として確立 *これらは推定

7 エズラの宗教改革

前444 学士エズラ、民衆の前でモーセ五書(トーラー)を読み聞かせ、この律法どおり実行するよう約束させた

・祭司エズラの神殿教団の設立 民衆を扇動し、神殿を乗っ取り、祭司から権力を奪い、シナゴーグ(会堂)を建てた。

・神殿が絶対的権威をもっていた時代は終わった。替わって、シナゴーグが民衆を支配、指導した

・ミシュナ 父祖の遺訓(ビルケ・アボート)、シナイ山(ホレブの山)でモーセが授与され、預言者に授けられ、シナゴーグが受け取った。シナゴーグ(ギリシャ語)、ヘブライ語ではクネセト・ハ・グドーラ(大いなる集会、議会)クネセトは議会

神殿と祭司の指導権が落ち、シナゴーグと指導者ラビが民衆を支配する。イエス時代のパリサイ派が出てくる。

前300 ネヘミヤ記 ネヘミヤ(ユダヤ地区の総督として)ペルシャから派遣された *ソクラテス(前470-前399)と同時代

前447 パルテノン神殿(アテネ) *旧約(ヘブライ)はギリシャより遥かに古い

第九章 ユダヤ教の成立とその問題点 171

1 ユダヤ教はエズラから始まった

・エズラ 神殿の宗教から会堂の宗教へ移行 *祭司は血統上で、普通のものが祭司になれない。実際は祭司階級の学者の意

・エズラはラビ(先生)、ラビの元祖。

後70 神殿壊滅で祭司がなくなる。ラビだけのユダヤ教になる

・アラム語の時代 原文をヘブライ語で読み、アラム語に翻訳して、民衆に聴かせた。

・アラム語敷延(ふえん)訳を集めたのが、タルダム(ギリシャ語七十人訳) 

・敷延(ミシュナ)して細則化する人間が、絶対の権威を持つ。これがパリサイ派の起こり。

2 カナンの地で苦しむのはなぜか。

・ペルシャ (バビロニアを滅ぼし、君臨している) 我々は奴隷となって、苦難の中にいる。契約に違犯したため。

3 律法を守る者がユダヤ人

・レビびと、祭司たちは、契約を絶対に守ると印を押した。(ネヘミヤ記)

・成分憲法が、はじめて人類にできた。王がなく、法のみで、法の前にすべて平等。トーラーに王冠を被せる。

・ユダヤ人という概念は、民族でなく、トーラーを絶対とするユダヤ教徒のことをさす。律法遵奉者集団。

4 律法体制は予言を消滅させた

・予言の消滅ないし休止。

・どの宗教でも、箴言(しんげん)化を行う。訓言化といってもよく、律法を短い戒めに言い換えて民衆に浸透させる。

・シュルファンアルフ 1450s 旧約聖書からタルムードまでの教えを613丞に要約している。広く古代オリエントの智恵。

・ハカミーム(智恵ある者)、教師。コーヘレス(集会で語る者)、伝道者の意。トーラー体制を支えた。

5 応報思想につながる教育書、箴言(しんげん)

・思想がたんなる日常語に還元されると、これさえ守っていれば良いという形になる。

・歌とか訓言にして暗記させた。民衆化の手ッ取り早い方法。しかし、基本的な思想が理解されなくなる。

・箴言(しんげん)化は、思想としての力を失わせる。

・契約を守れば、神は恵んでくださるという思想が生まれてくる。

・逆に、恵まれない人間は、教えを守らなかった、その報いを受けたということなる。大変、怖いこと。

・箴言化は、事柄を単純に割り切って、裁いてしまう一面がある。

・ヨブ記、箴言的発想に対して、徹底的に批判している。智恵という観念が新約、特にヨハネ福音書に大きな影響を与えた。

・教育書の箴言は、実に厳しく、また現実直視。

第十章 聖書のなかの智恵、空と無、恋 187

1 悪魔は正義の見方か

・前350s-450s ヨブ記 われわれの宗教書に近い。劇とも劇詩とも言える。創作

・サタンは神にヨブを告発している。告発は、正義を口にしながら、動機は憎悪である。善悪の対立は衝動の善き、悪しき。

・聖書は、正義対悪といった単純に見方をしていない。人間も善人、悪人の二種類ではない。

・憎悪が動機で、正義を口にしたり、行ったりする。悪しき衝動。人間の正義は汚れた下着。(イザヤ)

2 ヨブ記は箴言(しんげん)思想を批判する

・神とは何等かの御利益を得る手段で、応報、報われることが絶対で、神はその手段である。

・正義は必ず勝つ。正しいものは報われるといった発想は、逆転すると恐ろしい。

・応報思想は、教条主義で、信心が足りないからだと攻める。(新興宗教)

・自己の責任意外に、その原因を転嫁して心理的に解決する。しかし旧約には、その発想はない。

・逃げ道のない極限状態を徹底的につめていく。

3 理解しにくい被造物感覚

・神を信ずるとは、神に論争を挑むこと。神はヨブに。お前は被造物。ヨブはそれを自己の罪として懺悔し神と和解する。

・絶対性は、御利益、応報のかたちで、神を取引の対象とする相対性を排除する。

・絶対なのは、神であって、応報ではなく、神は応報の保証人でもない。

4 リアリズムに満ちた伝道の書(伝道者)

・集会で語る人。擬人が、その義によって滅びることがある。悪人がその悪によって長生きすることがある。

・あなたは、義に過ぎてはならない。また賢きに過ぎてはならない。悪に過ぎてはならない。また愚かであってはならない。

・智恵にも、知識にも期待をもたず、それは智恵が多ければ、悩みが大きく。知識を増すものは憂いを増す。

・すべてを皮肉り、否定し、嘲笑している。

5 空と無 仏教と聖書のちがい

・伝道の書、一回もヤハウエが出て来ない。神という言葉は出てくる。

前250-前200 伝道の書、成立

・人間に残るのは、人間は神よって造られたものだ、被造物。

6 来世という発想と神の秩序

・旧約に前世、来世という発想はない。

・ヨブ記、箴言(しんげん)、伝道の書。こられ三書を智恵文学と総称。義は確立しなければならない。義が確立するのを期待

・言葉(ロゴス)とは智恵(ホクマー)のギリシャ語化。はじめに言葉あり。言葉は神とともにあり、言葉は神なりき。

7 恋の歌、雅歌(がか)、歌の歌。

前300-前250 結婚式で、ある程度の所作をまぜて歌われた交誦歌(こうしょうか) 結婚式の日だけ、花婿を王と呼ぶ

・実に明るい愛の讃歌。旧約ヘブライでは霊と肉分離の発想はない。しかも神という言葉がない。

第十一章 キリスト教への胎動(一)207

1 ヘレニズム化とユダヤ人の信仰

 

2 前50s-後150sごろのユダヤの生活

・エルサレムの30参る北西にモデインという場所がある。マカバイ朝の遺跡、少しある。

・マッタテヤと五人の息子、偶像崇拝を強要するシリヤの役人、強要に屈した一農民を殺し、山血に逃れた。

 宗教弾圧へのゲリラ戦。どうやらローマが後ろ押しをしていたらしい。

前163 エピファネスが死ぬ。ローマと正式の外交関係を確立した。

前129 ユダヤ人最後の独立国。マカバイ派+サドカイ派(神殿貴族)<対立>ハシディーム派(後、パリサイ派、批判勢力)

前78-前69 パリサイ派勢力が確立、会堂に併設された学校、律法教育

前63 ポンペイウスにより、エルサレムが占領される。

前37-前4(歿) ヘロデ王権、確立 イエス、この治世。前6-7頃

3 ユダヤ教の中の三派の違い

・ヘレニズム アラム語に替わりギリシヤ語が通用

・離散の民(ディアスポラ) アレクサンドリア 半分はユダヤ人であった。

・パリサイ派、サドカイ派、エッセネ派 *サドカイ派、保守的、五書以外、認めない立場

・クムラン洞窟の死海文書は、エッセネ派の文書であることが指摘された(定説)

・エッセネ派は、神殿の権威を否認し、死海の沿岸で僧院体制をとっていた。

・パリサイ派 会堂を支配。口伝の律法註解を重要視。口伝の文書がミシュナでタルムードの中心。

4 神は身近に存在する

・生きる神の存在 

・パリサイ派、口伝律法を重んじる。

1)ハラハー(法規、歩むべき道) 

2)ハガター(語る意)説教、物語、伝説、詩、譬話

5 キリスト教は何から生まれた

・キリスト教発生は、ベツレヘムでなく、クムランに求めるべき。

キリスト教の母胎、発想は、パリサイ派に近い。

・サドカイ派、来世、救世主が否定されている。メイア思想がなく、キリスト教が成立しない。

第十二章 キリスト教への胎動(二) 221 黙示文学、終末論、救済者

1 黙示文学の見方、考え方

・黙示文学は一種の予言書 その関心は終末時

前167 ダニエル書 エピファネスによる弾圧時代。400年前のバビロン時代から現在(未来)を見ている。

2 一つの終末論の提示

・ダニエル書

1)1章-6章

前587 ネブカドネザル エルサレムを陥落させて、ユダヤ人指導者をバビロニアに移送、捕囚

・巨像 頭が金、胸と両腕が銀、腹と股が青銅、足の一部が鉄、足の一部が粘土

3 聖書のなかの怪獣

2)7章以下 四匹の怪獣(獣)

・バビロニア、メディア、ペルシャ、アレクサンドロス 四つの王国を象徴

・弾圧は1335日で終わる。救済者が現われる。

4 メシアの出現と復活の思想

・人の子のようなものが出現。

・黙示文学は正統的ユダヤ教とは相当に違った位置にあり、ダニエル書以外の黙示文学はユダヤ教から排除され、キリスト教に受け継がれた。

第十二章 キリスト教への胎動(三) 233

1 キリスト教と暦の関係

・パリサイ派の暦 ローマ暦

・エッセネ派の暦 一年=364日 毎年、曜日が同じになるよう決めていた。余分の一日、うるう日として処理。

・マタイ、マルコ、ルカ(共観福音書: パリサイ派の暦 ・エッセネ派と一日のズレ

・ヨハネ福音書 エッセネ派の暦 ・パリサイ派と一日のズレ。

2 キリスト教における洗礼者ヨハネの位置

・洗礼者ヨハネ、イエスの先駆的存在。荒レ野の隠者。木から造った衣服を纏い、土地に自生するものを食べ…

3 過激派を生んだ温和な環境ガリラヤ

・ガリラヤ(ガリルの地) 預言者イザヤの呼び名 ガリル(地)はガリル・ハ・ゴイム(異教徒の地)

・ガリル(輪の意) ガリラヤ湖(ゲネサレ湖)

 峻厳な洗礼者ヨハネはユダの荒涼たる荒れ野を代表、温和なイエスはガリラヤの風土を代表。(遠藤周作)

・ガリラヤ、辺境で徹底していく。革命運動はガリラヤから起こっている。

・ユダヤ戦争 強固な過激派、ギスカラ(現在のジシュ)のヨハネ。ガリラヤの辺境。

・フラウィウス・ヨセフス(37-100c) ユダヤ戦争の長官、軍司令官。ヴェスパシアヌスが皇帝になると予言。

第十四章 新約聖書とイエスと同時代の資料 243

1 民族主義と普遍主義

後50s-後150s  新約聖書 地中海東部の沿岸地帯、パウロの手紙はエーゲ海周辺。

・ヤハウエは単なる民族宗教の神ではない。おのれに背くイスラエルを懲らしめるためアッシリアを起して、これを罰した。

前450s 旧約の末尾、マラキ。固有名詞ではなく、使者という意味。エズラ以前に書かれた。

 

・キリストを通し人類のすべてに与えられた救いの契約(新約)。

・新約 イエス、パウロ、ヨハネ 三人が登場

2 イエスの履歴書と死亡証明書

(履歴書)

名前:イエス

父の名:ヨセフ

母の名:マリア

出生地:記述なし

生年月日:記述なし

居住地:ガリラヤのナザレ

婚姻家族:記述なし

職業:大工? 巡回の悪霊祓いで説教者

学歴:記述なし

職歴:記述なし

(死亡証明書)

死亡場所:エルサレム

死亡年月日:ローマ総督ポンテオ・ピラトのもとで、26年と36年の間

死因:ローマ総督の命令による十字架刑

埋葬場所:エルサレム

3 イエスの生年月日は紀元一年のクリスマスではない

後533 ディオニシウス・エクシグス 西暦を造った

・紀元前1年と紀元後1年の間に0年を挿むことを忘れた

・ローマ皇帝アウグストスと次の皇帝ティベリウスの共同統治4年間を見逃した

前37-前4 イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムで生まれた。前6年が定説?

4 イエスについての聖書以外の記述

・後36 ヨハネ マカイロスで首を切られた

・後60 ヤコブの殉教 神殿の壁から突き落とされた

・彼(大祭司アンナス二世)はサンヘドリン(最高法廷)の裁判官を召集し、彼らの前にキリストと呼ばれたイエスの兄弟で、ヤコブという名の乙男とその他の人びとを引き出し、彼らは律法に違犯していると告発し、彼らが石打の刑に処せられるように引き渡した。

5 新約聖書からイエス伝を造ることは可能か

・イエス伝を書いたのではない、イエスがキリスト(救世主)であることを論証し、かつ宣教(ケリュグマ)するのが目的であった。

6 イエスに似た人物の同時代の記録 *ヴェルメシュの提案

・前70以前、活躍 ラビ・ハニナ・ベン・ドーザ *悪霊祓い、病気の治癒 霊能的働き カリスマ的ラビ

第十五章 新約聖書の中のイエス 263

1 三十歳のイエス像

前28c 洗礼者ヨハネから洗礼を受け、宣教に乗り出す。

・ガリラヤの領主ロデ・アンテパスは、ヨハネを危険と考えて、投獄した。

2 洗礼後のイエスの行動

1)地上の権力者の支配は終末に近づいた。

2)彼らはカベナウムに行った。安息日に、イエスは会堂に入って、権威ある者のように教えた。人びとは病人や悪霊に憑かれて者、罪の赦しを乞う者をイエスのところへ連れてきた。

3)ガリラヤ全部を巡り、諸会堂で教えを宣べ伝え、悪霊を負い出した。のち、会堂から追い出され、野外で教えを説いた。人々が来て、大群衆になった。イエスは小舟を用意して、動いた。すべての人びとがローマの圧政に苦しみ、時の終末の待ち望んでいた。

4)・ガリラヤは

後6 ユダの乱、

後44 チウダの乱

5)イエスは、ただひとり、山に退かれた

ホニ 呪いをかけることを拒否した(中立であった)ため、群衆は石打ちで殺した。

6)預言者(イエス)がエルサレム以外の地で死ぬことはない

7)イエス、北上してツロの地へ行った

ペテロ あなたこそメシア(キリスト)ですと答えた。

8)その行われたシルシを見て、イエスの名を信じた

・ユダヤ人たちは…イエスを殺そうと計った。

9)後30.04.02(日曜日)ベタニヤの村に入る

後30.04.03(月曜日)エルサレムに行き、ベタニヤへ帰った。

後30.04.04(火曜日)最後の晩餐 …

後30.04.07(金曜日)

・ピラト:民衆を惑わすものとして、私のところへ連れてきたので、面前で調べたが、訴え出ているような罪は、この人に認められあかった。ヘロデも、また認めなかった。現に、彼はイエスを我々に送り返してきた。だから、彼を鞭打ってから、赦してやることにしよう。彼らは一斉に、その人を殺せ、…

・ついで、イエスの鞭打ち、茨(いばら)の戴冠(たいかん)、死刑の宣告があって、三時にイエスは十字架に付けられる。

・アリマタのヨセフが、イエスの遺体を受け取り、日没前に埋葬した。

後30.04.08(土曜日)安息日

後30.04.09(日曜日)三人の女がイエスに香料を塗るため墓に出掛ける。墓石は動かされていた。墓の中に入ると、右手に真っ白な永い衣を着た若者が座っているのを見て、驚いた。男は、イエスは復活してガリラヤに行ったと。

 

3 イエスは何故、殺されたか

・(最高法院、サンヘドリン)誰が判決を下したのか分からない

・ユダヤの王を詐称した政治的扇動罪として告発 ローマ式の十字架刑で、ユダヤ式の石打でなかった

・旧約では、律法の伝統がユダヤ教、予言の精神がキリスト教。

・イエスは、エルサレム神殿の祭司長、律法学者、パリサイ人たちの策動によって捕らえられ、総督ピラトの裁きの政治犯として処刑(十字架刑)された。

4 律法を無視したイエスの裁判

・(イエス)私がそれである。あたなたちは人の子が力ある者の右に座し、天の雲に野って来るのを見るだろう。

・神聖四文字、JEWHの誤用だけが瀆神罪になる。イエスの死刑そのものが、律法主義、義が確立するという主張を自ら否定している。

第十六章 キリストとは何か メシア、人の子、神の子、主(シュ) 283 

1 イエスとは平凡な名前である

2 キリストには三つの意味がある

3 イエスはキリストではない

4 なぜイエスはキリストと呼ばれたか

5 イエスは人の子である

6 神の子とは何か

7 主イエスとは

第十七章 使徒の世界 パウロとヨハネ 305 

1 パウロの歴史的背景

2 パウロの特徴

3 パウロと旧約聖書

4 ヨハネによる福音書と書簡のなかの二元論

5 ヨハネの黙示録の影響

あとがき 

 



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