浮世絵学04/外題(丹録本) 1971吉田小五郎/ 丹緑本(たんろくぼん)民芸 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学04/外題(丹録本) 1971吉田小五郎/ 丹緑本(たんろくぼん)民芸 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2015-11-04現在

酒井雁高(酒井好古堂主人)SAKAI_gankow,  curator,  

浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]

professional adviser of ukiyo-e, sakai koukodou gallery  

2014-11-13[ukiyo-e.co.jp]  *You might also see [japan-ukiyoe-musem.com]

2015-02-07

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator

浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]

文化藝術懇話会

100-0006東京都千代田区有楽町1-2-14

電話03-3591-4678 Fax03-3591-4678

◯丹緑本(たんろくぼん、明治以降の名称)。江戸初期、「ゑどり本」と称していた(水谷不倒)

版本であり、肉筆の彩色は極めて部分的。色筆の先端で、丹、緑、黄を指示(色差し)したような感じであるが、そのままが最終行程。筆写の奈良絵本を量産化するため、版本による整版に移行した。しかし、色摺印刷は出来なかったので、数色の筆彩色で簡便な色取りをおこなった。これが丹緑本である。

1455-1500初期活字印刷(インキュナブラと称する)、1580s-1590s西洋古地図からの影響か。1590s-1620s慶長-寛永の南蛮風俗の招来品から触発されて、1620s−1630s江戸初期の版本で、丹と緑と黄の三色が筆彩色されている西欧の刊本から暗示を受けて、筆彩色の丹祿本が生まれた。(吉田小五郎)

中国、また仏画の影響を含め、恐らく陶器の唐三彩から暗示を受けたものであろうか。(酒井雁高)

1590s−1600sキリシタン版に触発されて、古活字、連綿の嵯峨本などが刊行された。しかし、活字では漢字、カタカナ、平仮名など不便であり、整版へと逆戻りして、仏典などの寺院だけでなく、一般の専業の印刷業(版元)が出来てきた。

版本以前、筆写(筆者、ふでハ)、画者*(画ハ)、版元。*これは実際、何と称したのであろうか。画師、絵師と称するのであろうか。筆師という名称は、筆そのものを造る意になってします。

これらは分業で、註文また依頼し、制作した。筆写(筆耕)が最初で、次第に絵入の絵師が活躍するようになる。

その後、色摺木版が出来るようになり、1730s紅摺絵(べにずりえ)、1760s錦絵(にしきえ)と多色摺になる。

軍記、幸若、説教節、古浄瑠璃、御伽草子、笑本(ゑほん)などを含む稀覯(きこう)本である。

古活字版はキリシタンのヴァリニャーノが西洋印刷機を招来した天正18(1590)に触発されたものである。

1597慶長勅版、1621元和勅版など、古活字版は総て、1590天正18の西洋活字印刷の後である。

1610s-1620s元和の古活字本、1620s-1660s寛永-万治が隆盛期。殆どの作品は1620s-1630s寛永期。

奈良絵巻、奈良絵本は、専門の絵職人。丹緑本は、絵草紙屋の職人、しかも下請けが担当したか。

 

1964-1982古浄瑠璃ほか ←丹緑本に関連の可能性のある古浄瑠璃ほか 370点

丹緑本について詳細な記述をした記録を聞かない。極めて貴重な学術的な記録である。

2015丹緑本/総目録 766点 *吉田小五郎/民芸(丹緑本目録) *丹緑本でない書籍も含むか。

1984吉田小五郎/丹緑本 TANROKUBON: Rare Books of Seventeenth-Century Japan

1971吉田小五郎/丹緑本 236点

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*牛若丸は塀の上に飛び乗ったが、絵画としての奥行き、空間が未だしのため、弁慶と同じ地面にいるように見える。これらが初期の稚拙な面白みを出している。人物の表情も未だ木偶(でく)のような画一的なものである。

よく見ると、ところどころ地面に横の線が引かれている。これは、やはり銅版画の影響か。明暗(キアロスクーロ)の表現である。竪横にクロスされると、銅版画のハッチングの技法となる。一版の木版で細かい竪横は出来ないので、二版に分けることになる。

西欧でも、ジオットが始めて人間の喜怒哀楽の表情を絵画化した。それ以前は、全く人形のような型にハマった表現であった。

 

室町期(1336-1573)、安土桃山期(1568-1600)から江戸初期(1650s)を含む、色摺(いろずり)の木版が完成する以前の筆彩色による、初期版本である。西欧の刊本に筆彩色を加えたものから暗示を受けた(横山重)。インキュナブラ、西洋古地図に丹緑本とそっくりのものがある(吉田小五郎)。

*インキュナブラ(揺籃(ようらん)、「ゆりかご」の意)。グーテンベルグが1455に活字印刷機器を発明し、1500年までの活字印刷物。初期の印刷物で、大変、貴重なものである。

*この項、吉田小五郎、松本隆信(しゅうしん)両氏の所見を参考にした。



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