浮世絵学13/中国古典文学(原字)(げんじ)、甲骨文、金文、石鼓文の原文字の意 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学13/中国古典文学(原字)(げんじ)、甲骨文、金文、石鼓文の原文字の意 酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2016-04-29現在

酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

◯術語「原字」(甲骨文、金文、石鼓文)、秦篆、漢隷など改変される前の原典

「字源」、「字群」、「字形」/「語源」など、語彙が混乱し、錯綜している。/で区別したように、字形と語源は意味合いが違う。字形は象形文字そのものであり、語源は「ことば」、つまり同音で意味あいを把握する。単純から複雑への過程で云えば、最初、発声音の「ことば」があったが、長い間、未だ文字は無かった。その後、今から4,000年以前、漢藏語(中国語、チベット語)として象形文字が作られた。甲骨文、金文、石鼓文が原字として作られた。しかし、その後、文字の統一が計られ、秦篆、漢隷と変容していった。その特徴は、1独立した象形文字で独立。人称、時制変化を伴わない。2一音節、一単語、3複雑な声調語。

意味を特定できる「術語」が必要である。浮世絵の場合、最初の画を「原画」(げんが)と呼んでいる。つまり、後に刷られた「後摺」(あとずり)、彫り直して再び版木を作った「再版」(さいはん)などと区別している。

同様に、甲骨文、金文、石鼓文で使われた原典文字を術語として、「原字」(げんじ)と定義する。当初の製作者が呪術のために作った象形字であり、後の改変された字(改変字、籀文、篆書、隷書、楷書)と区別できる。

原字(甲骨文、金文、石鼓文)が、秦の文字統一により篆書(てんしょ)(秦篆)、漢の行政文字の隷書(漢隷)、楷書と改変されるに従って、原字の字形も替わり、従って原義も違ってきた。秦以前、韋書三絶の仮令がある孔子(BC552-BC479)の頃の文字は、石鼓文また竹簡(ちくかん)であったのだろう。

石鼓文はBC450s戦国期の小篆以前の文字で、小篆よりも、脚が長く、複雑な構成で、籀文(ちゅうぶん)と呼ばれている。

亀卜、牛骨、青銅器など、一般人は関与していなかった。つまり甲骨文、金文、石鼓文、つまり原字(げんじ)は、王が神の予祝、託宣を受けるための手段であった。

いわゆる語源は、想像とか創造によって恣意的に説明されていて、当てにはならない。その意味で、100許慎(30-124)説文解字(小篆)は、9353文字を540部に分類しているが、540部では全く分類になっていない。つまり思い付きの解釈である。六書も、象形文字が基本で、転注、仮借は意味が曖昧である。

それを受け継いだ、1716張玉書ら(1642-1711)/康熙字典(楷書)なども同様である。47,035字、異体字1.995字で、部首で配列している。本来、原字も、字音(おん)の字群、字訓(くん)で配列すべきものであろう。

最近の傾向では、字音(じおん)分類で、同根(篇、旁、部分)を素材として、同語源、同字群を把握している漢字典が多い。代表的な字音(同音)の漢字辞典

1982王力/同源字典 (中文)

*古韻を三類(甲乙丙)、二十九部(之、支、魚…。微、脂…。緝、盍、侵、談)に分類

1喉音 2牙音 3舌音 a舌頭 b舌上 4歯音 a正歯 b歯頭 5脣音 それぞれ国際音標 羅馬字代號

しかし日本の人々には区別が出来ない。殆ど音(オン)として、呉、漢、唐の違いがあるが、同音に聞こえる。

音訓を駆使しながら、読み下しで意味を理解し、外国語である中国語をそのまま国語として取り入れた。また、平仮名、カタカナの表音文字を発明している。しかし、発音が難しく、中国人と話すことは出来ない。

・田中慶太郎/支那文を讀む爲の漢字典(對訳の漢和辭典)を見ると、かなりの意味の違いがある。

1968小川環樹、西田太一郎、赤塚忠/角川新字源 *漢藏語の特色は本書から引用

1984白川静/字統(字源辞典) 6,800字 この数で充分

1987白川静/字訓(古語辞典) 5,478字、見出し70,370字 古事記、日本書紀、万葉集より語彙を採取

1996白川静/字通(漢和辞典) 9.600字

いわゆる六書(りくしょ)、漢字の成り立ちを説明する術語の「仮借」(かしゃ)が殆ど7割であるという。つまり同音の漢字を流用するのである。文字が全く別であるから、同音でも意味が全く違った解釈になる。

なお、草書は楷書の崩しではなく、篆書の崩しである。現在の中国の簡体字も、草書体を取り入れているため、曲線が多く見受けられる。中国本土は簡体字が主流で、繁体字は使われていない。1946年以前の漢字を使っているのは台湾である。日本の奈良時代の古文書で使う文字が、そのまま使われている。

字統、字通(これらは音引き)を調べたが、白川先生の引用する「サイ」(口の左右を上に延ばした象形)は活字がなく、見つけることが出来なかった。すると、白川先生は、この象形文字を何を典拠に「サイ」と読んだのだろうか。

何か御存知の方は、御教示ねがいます。

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator
浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]
[浮世絵学]文化藝術懇話会    浮世絵鑑定家
100-0006東京都千代田区有楽町1-2-14
電話03-3591-4678 Fax03-3591-4678

 



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