浮世絵学13/中国古典文学(金文)青銅器_酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]
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浮世絵学13/中国古典文学(金文)青銅器_酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

2016-04-27現在

酒井雁高(浮世絵・酒井好古堂主人) [HP: ukiyo-e.co.jp]

◯BC1400s-BC771(商*代[殷]、西周)金文(青銅器) *上海博物館では、商を使っている。

中国古典文学を一覧すると、105AD蔡倫が紙を発明した。これ以前の記録(紀元前)は甲骨文、金文、石鼓文、竹簡、木簡に依拠する。その後の紙の書物記録は転写、引用、擬作され、錯綜して、どれが正しいか判断に迷う。このような場合、金文に用例、単語があるかないかで決定する。当時、記録した人物は司馬遷を含めて、甲骨文、金文を実見する機会が少なかった。近代になって、甲骨文、金文(青銅器)が大量に出土した。金文は、金属の意であるが、文字通り金色に輝いていた青銅(銅と錫の合金)器、ブロンズを意味した。これらの金文は、王が巫女、覡(ゲキ)の呪術により、神から託宣を受けるためであった。羅振玉/三代*吉金文存など、研究されて、ようやく全貌が分かってきた。*三代は夏、商(殷)、周を指す。

BC1700s-1500s夏代も少しあるが、大半はBC1400s-BC1200s商代中期、BC1200s-BC1000s商代晩期。いわゆる殷。

BC1000s西周早期、BC1000s-BC800s西周中期、BC800s-BC771西周晩期。西周の祭祀儀式用の青銅器である。

◯105AD以前、紙が発明される以前

司馬遷でさえも、紙の書物を読んでいない。恐らく、竹簡であろう。宮廷図書館の書物を調べると云っても、書物でなく、竹簡だから、膨大な量(ぐるぐると巻く)になる。現在、中国各地で竹簡が発掘されて研究も徐々に進んでいる。→浮世絵学 竹簡 木簡 参照

◯首都の名 *国家というほどの組織は未だ無く、従って都邑、つまり大きな城壁の都市名が国名を意味していた。

竹内照夫先生の春秋左史、解説によると、貴族や市民がいた地域の内、大きいのを「都」(ト、日本ではミヤコ)、小さいのを「邑」(ユウ)と呼び、城壁を廻らしてあった。国家の本体は首都であって、周(鎬京、現在の西安)とか宋(開封)とかの国名は実は首都の名である。春秋期は120ほどあった、240年間に淘汰されて、春秋末期には40ほど。戦国中期に残存7国の競争となり、ついに秦(感陽、陝西省渭水北岸)一国による平定となった。

◯殷が商であるとの金文は存在しない。どうして、殷が商なのか不明。学術的に、商を選択して、殷を使用しない図録もある。

1700BC-110BC殷 *姓は子(し) 商と自称。殷と称していない。

BC1700c   亳(ハク) 地籍は河南省商丘県、「商」の字は宮殿を象っている。shang、当時、国家の名称は無く、主要な城壁都市が国名に相当していた。都邑(トユウ)と称して、大きい町を都、小さい町を邑(むら)と呼ぶ。

BC1600c  囂(ゴウ) 河南省へ

BC1500  耿(コウ)山西省へ

BC1400  亳(ハク)へ。河南省偃(yan)師県。同音なので、後に殷(yin, yan)と呼ばれた?

BC1100-BC770西周 *姓は姫(き) *鐘(楽器)、鼎(祭祀)に銘文がある

BC1027 武王により、殷は滅ぼされる。

BC770-BC403春秋(770BC-256BC東周)

*孔子(BC551-BC479)が書いた春秋に因む。春秋左史(解説書)は最初の史伝文学

BC403-BC222戦国(770BC-256BC東周)*戦国策に因む。列国の外交駆引きを描いた。鉄器普及。

*楚 姓は羋(ビ) 都は郢(エイ) 戦国七雄の一つ、南方

BC221-BC207秦 *姓は贏(えい) 篆書*(テンショ)で文字を統一した。 *印章に使う文字

BC206-8AD前漢 *姓は劉(りゅう) 隷書(レイショ)

時代は上記のようになる。

◯2016酒井雁高/金文青銅器書目を纏めた

2016金文青銅器書目_五十音順

2016金文青銅器書目_編年

◯1971容希白(1894-1983)/金文編/正續編 *文字辞典

◯2004上海博物館/中国青銅器展覧図録 100点の図版だけであるが、考証など青銅器の詳細を簡単に観察することが出来る。また附録1は食器、酒器、水器、兵器ごとに分類。附録2は主要紋飾。附録3は出土分布図。附録4は主要文明年表で便利である。

◯饕餮(とうてつ)文様

饕餮(とうてつ)文様は別の呼び名になっているが、漢字が出てこない。曽の日の部分が、「一」、その下が「口」である。簡略字、獣の意(胡晋泉さんより、御教示いただく)

恐らく、饕餮は貪り喰うという大羊、大角、Big Horn, Ibex(アイベックス)など、羊、ヤギなどの野生の逞しい生き様を現したものであろう。角の渦巻き状に図案が左右にあり、鼻梁も表現されている。ただの「獣」(四つ足のけもの)よりも、製作者の意図を尊重して、「饕餮文」が相応しいと思う。

スキタイ(現在のウクライナ)など、動物を四角い画面に挿入するため、角、足などを曲げて表現している。

アイベックスは、険しい崖の上から、いきなり飛び降りて、ジッグザク状に駆け下りている。Big Hornは、4Dのトラックに正面から突き当たってくる。NZネルソンの野生の羊は「ここを通るなら、俺を倒せ」と、バイクに正面から突き掛かってくる。

◯2004上海博物館/中国青銅器展覧図録の年代は下記の通り。

BC1700s-1500s   夏代

BC1500s-BC1400s   商代早期(後に殷へ移る)

*商、殷、同音のため殷と仮称しているが、都督の地が違っているから、商(毫)が正しいのだろうか。

BC1400s-BC1200s   商代中期

BC1200s-BC1000s   商代晩期

BC1000s                         西周早期

BC1000s-BC800s         西周中期

BC800s-BC771              西周晩期

BC770-BC600s              春秋早期

BC600s-BC500s            春秋中期

BC500s-BC476               春秋晩期

BC475-BC300s               戦国早期

BC300s-BC221               戦国晩期

BC206-8AD                     西漢(前漢)

25AD-220AD                   東漢(後漢)

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◯1984白川静(1910-2006)/字統、字通、字訓 *五十音順に文字、約6,000が整理されている

漢字を部首別に配列する、これまでの凡例を撤廃し、五十音順に並べて、簡単に検索できるようにしてある。

「語源」ではなく、同音による「字源、字群」つまり「字形学」的に系列を把握する学問。

語源と字源の術語が、やや混乱している。「原字」(げんじ)という術語を使えば、混乱を回避できる。

つまり甲骨、金文の文字が、「原字」であり、秦の小篆、石鼓文、漢の隷書は「改変字」している。このため、原字を確認して、原義を把握する必要がある。

正確に字音を示すため、「声」と「韻」を区別し、同紐同韻の字で、その音節を示す半切(ハンセツ)法。

◯100許慎(30-124)/説文解字 *小篆 9.353字を540部に分類。540部に分類すること自体、分類になっていない。当時、原字(甲骨、金石)を確認できなかったので、解釈自体、誤りが多い。

◯1716康熙字典 47,000文字 *楷書 文字数が多いが、説文解字と同様、原字(つまり字源)について把握していないので、全く説明がなく、説文解字の孫引きである。基本的な文字は約6,000(白川説)

その他、1924簡野道明/字源、1963上田万年ほか/大字典、1965藤堂明保/漢字語源辞典、1967諸橋轍次/大漢和辞典、1968赤塚忠/新字源、1976加藤常賢/角川字源辞典、1978藤堂明保/学研漢和大辞典などの字典も、説文と同様、原字を把握していないので、原義の説明になっていない。つまり、甲骨文、金石文の原字、原義を認識していないので、前段階の学問ということになる。現在では、甲骨、金文の原字を取りいれ、解析することが必須である。

つまり、これらの辞書は、甲骨文、金文などの「原字」を把握していなかったため、「改変字」をもとに、想像、創造して、多くの誤認がある。

白川先生は、三代(夏、殷、周)、甲骨文、金文の「原字」が作られたのは、祭祀、呪術としての文化的、思想的背景があった。

この白川説の祝祷説に批判も多いが、これらの批判は当たらない。なぜなら、1890フレーザー(1854-1941)は、金枝篇を著して、古代社会は呪術により世界各地域共同体の行動が決定されていたと述べている。

1918高田忠周/古籀篇

1937中島竦/書契淵源

1982王力/同源字典 *同音の字群、字源を字形学的に把握

1988王力/康熙字典音読訂誤

◯2016胡*(フウ)晋泉さんより金文関係のコピーを戴いた。*胡さんは、中国のジャーナリスト

A1938金文编

B1984商周青铜器铭文选 – Vols. 1-4  Bronze Inscriptions

B1990商周青銅器銘文選3-4釋文及註釋

C1984-1994殷周金文集成 *郭沫若ら中国科学院
1995殷周金文集成引得
2001殷周金文集成釋文01
2001殷周金文集成釋文02
2001殷周金文集成釋文03
2001殷周金文集成釋文04
2001殷周金文集成釋文05
2001殷周金文集成釋文06

*殷周金文集成01-18 djvuファイルのため、変換しないと見ることが出来ない。
殷周金文集成 01(鐘塼類一).djvu
殷周金文集成 02(鐘塼類二).djvu
殷周金文集成 03(鬲、甗、匕、鼎).djvu
殷周金文集成 04(鼎类铭文二).djvu
殷周金文集成 05(鼎类铭文三).djvu
殷周金文集成 06(簋类铭文一).djvu
殷周金文集成 07(簋类铭文二).djvu
殷周金文集成 08(簋类铭文三).djvu
殷周金文集成 09(盨、簠、敦、盞、豆).djvu
殷周金文集成 10(卣類銘文).djvu
殷周金文集成 11(尊、觶).djvu
殷周金文集成 12(觶、觚).djvu
殷周金文集成 13(爵角類一).djvu
殷周金文集成 14(爵角類二).djvu
殷周金文集成 15(斝、觥、盉、壺、壘).djvu
殷周金文集成 16(彜、勺、桮、瓿、霛、瓶、罐、缶、盤、匜、鑑、盂、盆、諸器).djvu
殷周金文集成 17.djvu
殷周金文集成 18.djvu

◯1918丁福保/説文詁林 全15 DBで見ることが出来る。

◯****古文字説文詁林 DB これは甲骨、金文など古文字すべてをDB化してあり、便利。必須。

◯青銅器図録が便利であるが、大部なため、手軽に見ることが出来ない。複雑な形の器物は祭祀に使われている。従って、神に供える器具であったため、名前が難しく、用途も明確でない。また青銅器の製作過程も不明である。現代では青銅の分析(銅、錫、鉛)により、中国大陸の産地まで特定できるようになった。むろん青銅器の出土地と銅の産地は別である。

1992孔祥星/中国銅鏡図典、文物出版社 *分類別で便利である。

*饕餮(とうてつ)紋、龍紋、鳳紋、動物紋、半人・半獣紋、几何紋、銅鏡、□□銭・佛像、全形器

◯1999古文字詁林*(古文字詁林編纂委員會,全12,上海教育出版社)

『甲骨文編』、『続甲骨文編』、『金文編』、『包山楚簡文字編』、『睡虎地秦簡文字編』、『長沙子弾庫帛書文字編』、『古璽文編』、『漢印文字編』、『石刻篆文編』、『古文四声韻』の諸書が引用参照されている。

*説文解字詁林が便利であるが、古文字(原字、つまり甲骨、金石文)は参照できない。飽くまでも許慎(30-124)/説文解字が主体である。説文解字は9,353字を540部に分類、字義を訓釈している。540部の分類自体、全く分類になっていない。当時、原字を出来ず、恣意的に想像、創造を加えて、妙な解説をした。この説文の弊害が後、何時までも続いていることが分かる。現在は甲骨、金石文で原字を確認し、解析することが求められている。

◯國學大師

http://www.guoxuedashi.com/zidian/725B.html

殆どの漢字典、漢字辞書がDBになっている。これは凄い。

何か御存知の方があれば、御教示ねがいたい。

酒井 雁高(がんこう) 学芸員 curator
浮世絵・酒井好古堂   [HP: ukiyo-e.co.jp]
[浮世絵学]文化藝術懇話会    浮世絵鑑定家
100-0006東京都千代田区有楽町1-2-14
電話03-3591-4678 Fax03-3591-4678



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